「自分は発達障害かもしれない」
「子どもの発達が気になる」
と感じたとき、どの病院へ行けばよいのか分からず悩む方もいるでしょう。
発達障害の診断は医療機関で行われます。主な診療科は年齢によって異なり、同じ診療科でもすべての医療機関が発達障害の診療に対応しているわけではありません。
「いきなり病院へ行くのは不安」「まだ受診するか決められない」という場合には、公的な相談窓口などに相談する選択肢もあります。
この記事では、発達障害について相談できる診療科や病院の探し方、病院へ行くか迷っているときの相談先、診断を相談するときの一般的な流れについて、大人・子どもの両方を対象に整理します。
発達障害は何科を受診すればいい?

発達障害の診断は医療機関で行われますが、主な診療科は年齢によって異なります。
子どもは小児科・小児神経科・児童精神科、大人は精神科・心療内科などが主な相談先です。年齢の区分や対象となる範囲は医療機関によって異なるため、年齢だけで受診先を判断するのではなく、各医療機関の対象年齢や診療内容を確認する必要があります。
| 年齢・時期 | 主な診療科 | 受診前に確認したいこと |
|---|---|---|
| 大人 | 精神科・心療内科など | 成人の発達障害に対応しているか |
| 子ども(乳幼児期~18歳ごろ) | 小児科・小児神経科・児童精神科など | 発達障害の診療に対応しているか、対象年齢 |
「18歳ごろ」は受診先を考える際の目安であり、全国の医療機関に共通する一律の境界ではありません。医療機関によって対象年齢や対応内容が異なるため、受診前に確認しましょう。
大人は精神科・心療内科が主な相談先
大人が発達障害について医療機関へ相談する場合は、精神科や心療内科が主な受診先です。
精神科や心療内科であれば、どこでも成人の発達障害について診療しているわけではありません。医療機関の公式サイトなどで、成人の発達障害に対応しているか、対象年齢に制限がないか、初診の予約を受け付けているかなどを確認しておくとよいでしょう。
分からない場合は、予約前に医療機関へ問い合わせる方法もあります。
子どもは小児科・小児神経科・児童精神科などが主な相談先
子どもの場合は、小児科・小児神経科・児童精神科などが主な受診先です。
小児科であればすべて発達障害の診療に対応しているわけではなく、対象年齢や診療内容も医療機関によって異なります。子どもの発達について診療しているか、対象年齢に当てはまるかなどを事前に確認しましょう。
どこを受診すればよいのか分からない場合は、保健センターや子育て相談窓口など、地域の相談先から情報を得る方法もあります。
診療科名だけで決めず「発達障害に対応しているか」を確認する
発達障害について病院を探すときは、「精神科だから」「小児科だから」ではなく、実際の対応状況を確認することが大切です。
受診前には、次のような点を確認しておくとよいでしょう。
✓発達障害の相談・診療に対応しているか
✓大人・子どものどちらを対象としているか
✓対象年齢に制限があるか
✓初診の予約方法
✓紹介状が必要か
✓受診前に準備するものがあるか
発達障害の診療では、受診する診療科や対象年齢が医療機関によって異なります。診療科名だけで判断せず、自分や家族が受診できる医療機関かを確認しておくことが大切です。
発達障害を診てもらえる病院の探し方

発達障害に対応している病院を探すときは、自治体や国が提供している医療機関情報を利用できます。
地域別の医療機関を探したい場合は、厚生労働省が運営する「発達障害情報のポータルサイト」などが参考になります。また、都道府県・指定都市などが公表している、発達障害の診療を行う医療機関の情報を地域別に確認できます。
全国の医療機関を条件から探したい場合には、厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」も利用できます。所在地や診療科目などに加えて、対応可能な疾患・治療内容から医療機関を検索でき、「発達障害」に対応する医療機関を探す項目も用意されています。
そふとナ鬼嫁病院探しに利用できる主な公的情報を整理すると、次のとおりです。
- 自治体が公開している医療機関情報
- 発達障害情報のポータルサイト「発達障害ナビポータル」
- 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
候補となる医療機関が見つかったら、公式サイトや電話などで最新情報を確認しましょう。対象年齢、発達障害への対応状況、初診の予約方法などは医療機関によって異なります。
公的な検索サービスは病院を探す手がかりになりますが、検索結果だけでは、自分が希望する診療を受けられるかまでは判断できません。実際に予約する前に、必要な情報を医療機関へ確認しておくと安心です。
病院へ行くか迷っているときに相談できる場所


「発達障害かもしれないけれど、病院へ行くべきか分からない」「診断を受けるかどうかはまだ決めていない」という段階でも相談できる場所があります。
地域や年齢などによって利用できる窓口は異なりますが、主な相談先は次のとおりです。
| 相談先 | 主に相談できる人 | このようなときの相談先の候補 |
|---|---|---|
| 発達障害者支援センター | 本人・家族など | 発達障害について専門的に相談したい、地域の支援先などを知りたい |
| 市区町村の障害福祉関係窓口 | 本人・家族など | 地域で利用できる相談先や福祉に関する情報を知りたい |
| 保健センター・子育て相談窓口 | 主に子どもと保護者 | 子どもの発達や子育てについて相談したい |
| 教育委員会などの相談窓口 | 学齢期の子ども・保護者など | 学校生活や学習面などについて相談したい |
| かかりつけの小児科医・身近な支援者など | 子ども・保護者 | 普段の子どもの様子を知っている人に相談したい |
窓口の名称や相談できる内容は自治体などによって異なります。利用を考えている場合は、お住まいの地域の公式情報を確認してください。
発達障害について専門的に相談したい場合には、発達障害者支援センターも選択肢の一つです。診断がなくても利用でき、本人だけでなく、家族など周囲の人からも相談できます。相談内容に応じて、医療機関や地域の支援機関などにつながる場合もあります。
発達障害者支援センターの事業内容は、地域の支援体制などによって異なります。利用するときは、自分の居住地域を担当するセンターの情報を確認しましょう。
病院へ行くかどうかを決めていない段階でも、相談することはできます。「診断を受けると決めてからでなければ相談できない」と考える必要はありません。
発達障害の診断を相談するときの一般的な流れ


発達障害について医療機関へ相談すると、予約、初診、必要な診察や評価、結果の説明などの段階を経て進むのが一般的です。
実際の内容や順序、診断までにかかる期間などは、本人の状況や医療機関によって異なります。ここでは、受診を検討するときの参考として一般的な流れを紹介します。
① 医療機関を探して予約する
発達障害に対応している医療機関を探し、受診の予約をします。
発達障害の診療を行う医療機関は、ほとんどが予約制です。問診票や紹介状などについて、予約時に案内される場合もあります。
受診前に必要な準備は医療機関によって異なるため、予約時に確認し医療機関から案内がある場合はその内容に従いましょう。



「何を準備すればいいのか分からない」という場合も、予約時に確認しておくと受診当日の負担を減らせます。
② 困っていることやこれまでの経過を伝える
初診では、現在どのようなことに困っているのか、何を相談したいのか、これまでどのような経過があったのかなどを伝えます。
必要に応じて、生育歴やこれまでの病歴、現在の生活状況、学校や仕事での様子などについて確認されることもあります。



受診前に次のようなことを簡単に整理しておくと、自分の状況を伝えやすくなります。
- 現在困っていること
- いつごろから気になっているか
- 家庭・学校・仕事などで困りやすい場面
- これまでに相談・受診したことがあるか
- 今回、医療機関で相談したいこと
母子手帳、通知表、過去の検査結果などが参考資料になる場合もあります。これらは、すべての人に一律で必要な持ち物ではありません。医療機関から持参するよう案内された場合や、手元にある場合に準備するとよいでしょう。
必要な資料が分からない場合は、受診予定の医療機関へ確認してください。
③ 必要に応じて診察・検査・評価を受ける
初診後は、本人の状況に応じて診察や検査、評価などが行われます。



発達障害の診断では、現在の困りごとやこれまでの経過、生育歴、行動の様子など複数の情報をもとに評価します。必要に応じて、発達検査・知能検査や各種心理検査などが行われることもあります。
どのような診察や検査が必要になるかは一人ひとり異なり、特定の検査を一つ受ければ発達障害かどうかが分かるものではありません。
検査の目的や今後の流れについて分からないことがあれば、受診している医療機関で確認しましょう。
④ 結果や今後の支援について説明を受ける
必要な診察や評価などを経て、結果について医師から説明を受けます。
診断名の有無だけでなく、自分や家族の特性、現在困っていることの背景などを整理することは、その後の生活や支援を考える材料にもなります。



本人の状況に応じて、今後の治療や生活上の工夫、利用できる支援などについて説明を受ける場合もあります。
結果の説明までにかかる期間や、その後の対応は医療機関や本人の状況によって異なります。分からないことや確認したいことがあれば、医師や支援者に尋ねてみましょう。
発達障害の診断・病院についてよくある質問


ここからは、質問に答えていきます。
- 発達障害は病院に行かないと診断できませんか?
-
発達障害の診断は医療機関で行われます。
一方で、「診断を受けること」と「発達について相談すること」は分けて考えることができます。
「自分や家族が発達障害かもしれない」「病院へ行くべきか分からない」という段階であれば、市区町村の相談窓口や発達障害者支援センターなどに相談することもできます。
発達障害者支援センターへの相談には、発達障害の診断は必須ではありません。
診断について医師に相談したい場合は発達障害に対応している医療機関を探し、まだ受診を迷っている場合は公的な相談先を確認するなど、自分の状況に応じて選択肢を考えてみましょう。
- 家族だけでも相談できますか?
-
本人が一緒でなくても、家族から相談できる公的な窓口があります。
発達障害者支援センターは、本人だけでなく家族など周囲の人からの相談にも対応しています。市区町村の福祉関係窓口などを利用できる場合もあります。
家族が相談窓口を利用することと、医療機関で本人の診断を進めることは分けて考える必要があります。本人がまだ受診を希望していない場合などは、家族としてどのように対応すればよいかを地域の相談窓口で相談する方法もあります。
迷ったら地域の相談先を確認しよう
発達障害かもしれないと感じたとき、すべての人が同じ順番で行動する必要はありません。
診断について医師に相談したい場合は、発達障害に対応している医療機関を探す方法があります。「病院へ行くかまだ迷っている」「家族として相談したい」という場合には、市区町村の窓口や発達障害者支援センターなども選択肢になります。
自分や家族だけで発達障害だと決めつけるのではなく、必要に応じて医療機関や地域の相談先から情報を得ながら、自分たちに合った次の行動を考えていくことが大切です。
病院を探したい場合と、地域の相談先を確認したい場合では、参考になる公的情報が異なります。
発達障害に対応する病院・医療機関を探したい方は、発達障害情報のポータルサイト「発達障害ナビポータル」の利用がおすすめです。
所在地や診療科目、対応内容などから探したい場合は、厚生労働省の「医療情報ネット(ナビイ)」で全国の医療機関を検索できます。
地域の発達障害者支援センターを確認したい方は、全国の発達障害者支援センターを参考にしてみてください。
受診するか、まず相談するかは、現在の困りごとや希望によって変わります。それぞれの選択肢を確認しながら、自分や家族に合った相談先を探し支援へつなげていきましょう。
